憶良らは 今は罷らむ 子泣くらむ それ負ふ母も 吾を待つらむぞ
山上憶良という詩人の詠んだ歌で、ひらがなに読み下すと「おく
ららは いまはまか
らむ こなく
らむ それおうははも わをまつ
らむぞ」になる。この歌の解釈は様々あれど、定説では「宴会の席を中座するときに詠んだ歌」となっているらしい。これが面白いのは「ら」という音が過剰に織り込まれているところだろう。
Para bailar la Bamba(ぱら ばいらる ら ばんば)
Para bailar la Bamba(ぱら ばいらる ら ばんば)
Se necesita una poca de gracia(せ ねせした うな ぽか で ぐらしあ)
Una poca de gracia y otra cosita(うな ぽか で ぐらしあ い おったら こした)
Y arriba y arriba, Y arriba y arriba(い ありば い ありば い ありば い ありば)
Por ti seré, por ti seré, por ti seré(ぽる てぃ せれ ぽる てぃ せれ ぽる てぃ せれ)
Yo no soy marinero. Yo no soy marinero.(よ の そい まりねろ よ の そい まりねろ)
Soy capitán. Soy capitán. Soy capitán.(そい かぴたん そい かぴたん そい かぴたん)
Bamba, bamba...(ばんば ばんば)
スペインの民謡「ラ・バンバ」。歌詞は歌い手によって少し異なるけれど、だいたいこんな感じなんだとか。「ラ行」で弾かれたところで曲に勢いがでる。
(wikipedia「硬口蓋音 - 音声学」より)
日本語の「r」は、「歯茎はじき音」(フラップ "r")と呼ばれていて、一瞬だけ口のなかを「閉鎖」して(音声学的に
調音して)、そこから弾くようにして空気のまとまりを放出する。これが「音の明度」を高めているように感じるのだ。山上憶良が「ら」を多用したところは、きっとここだったと考えられる。
――「ら」は外側に発散する。
――「ら」は明るさを押し広める。
――
「ら」は陽気と歓楽を瞬時に生成し、言語空間の音楽性を整える。
――「ら」は平和の音声であり、あらゆる制御に解放を唱え、
他者を優しくする。
――「ら」は、五十音のなかで唯一、
連続で聞いても苦しくない音素である。
ららららららららららららららららら
そこで、アニメのオタクというイメージを定着させるために、化物語の主人公「あららぎくん」の言い間違い「らららぎ」を名前にもらった。さらにアニオタを強調するときは、魔法少女まどか☆マギカの「明美ほむら」を併せて「明美ほむらららぎ」などと称するときもある。
「ら」の明るさが好きなのだ。余裕も愛嬌もある「ら」の音を、いつでも呼びたい。ぼくの子どもが生まれたら、「等等等」(ららら)という名前にしてキラキラさせてしまおうか。冗談。
とにかくこれが、アカウント名の由来。
前口上で予想した通り、説明に寄ってしまったけれど、これが今の限界。
自分について語るのは、別の機会に譲るとして、これはこれで終わり。
しーゆーれーらー
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