数えることはどうも苦手で、5以上になってくると目視で数えることは出来ない。
そういえば中学の頃から数学はどうもぱっとしない成績だったし、数という概念に縁がない人間なのだろう。
そんな私が何かをわざわざ数えるということはほとんどしたことがないのは自然なことだ。
フランス語の試験の前、久々に数を数えた。ただし、フランス語で。
フランス語を始めて1年と少し経つが、ようやくフランス語で10まで数えられるようになった。
というわけで、今日は外国語の話でもしてみようと思う。
例によって外国語の数詞はとても苦手だ。
出てくるたびにぞっとする。
日本語に単数と複数の区別はないが、英語にはある……という話は誰もが乗り越えてきたところだろう。
その時点で、日本語と英語の「数え方」が違っているのがわかる。
フランス語も英語と同じく単数と複数だが、フランス語の70以上の数字は、あれ、何がしたいのかさっぱりわからない。
80=20×4でしたっけ。
でもきっと、フランス語母語話者の頭はそうなっているのだろう。
ところでアラビア語は、単数形と複数形の他に双数形がある。
一人称単数「私」、一人称双数「私たち二人」、一人称複数「私たち」と言った具合である。
双数形に初めてであったときはきっと戸惑うだろうが、「1の次は2、2の次はたくさん」というふうに、意外とシンプルな考え方なのかもしれない。
それは「数えない」という態度につながっているような気がして、私はアラビア語の数の概念がとても好きだ。
そういう風に、un, deux, trios, quatre, cinq...と、童心に戻って数を数えるのは悪くない。
数えなくたって生きていけることはこれまで生きてきた中でよくわかっているけれど、いろいろな数え方を知っていれば見える世界が変わってくるかもしれない。
アラビア語を勉強する中で、そんなことに気づいたりもした。
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