忍者ブログ

みんなでしんがり思索隊

書いてみよう、それは案外、いいことだ。 / 載せてみよう、みんなで書いた、幻想稿。
MENU

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


*きまぐれ索引(た〜と)*

《た行》(第二の矢――佇まい――たらしめる――たわいもない――チカチカ――中高度赤色航空障害灯(語釈途中)――手1――手2――哲学――。)



【第二の矢】(だいにのや)――どんな人間でも、痛いとか苦しいといった感情から心を揺らすことになる。仏教を知らない人は、その苦しさからさらに嘆き、迷い、混乱という第二の矢を受けることになるという仏教の考え。

 これは原点から仏典に翻訳されたものを、また私が訳したものですが、こうした仏教の原点の翻訳は実は最近になって進んだのです。それゆえ、これからまた仏教の時代がくるかもしれませんね。

たとえば仏教における復讐は「第二の矢」と呼ばれており、負が力を増しながら不必要にストロークすると考えられている。
(人を呪わば穴二つ - シャッフルされる主語 / らららぎ)

【佇まい】(たたずまい)――そのものがそこにあることによって生じている全体の様子や雰囲気。

 ただ「雰囲気」と違うのは、「ただずまふ」という「未然形+反復の助動詞」にあるかもしれません。雰囲気というのは「気」ですから、流れます。流動的。それに対して、佇まいというのは「固定的で、確実的」な面があるでしょう。その固定的な性質から「人、建築、場所」において使われやすく、「音、空、水」などには使わないことが多いと思われます。
 「たたずまふ」の「たた」というのは「只」という言葉に通じており、ストレートさ、実直さ、純潔さ、真っ直ぐさ、そういった観念を重視しているようで、鉄塔などカッコイイ建築物の持つ「直線的で、固定的で、確実的」な性質から生まれる「その場所の在る様子」(が何かは分かりませんが)のこと指し示しているのでしょう。
 「道路にその魅力を感じない」とは本文ネコさんの言葉でしたが、なるほど、道路はむしろ流動的で多様的ですから、佇まいというものは、ほとんど感じないのかもしれませんね。

私、鉄塔も好きです。すっくと青空にそびえたつその銀色の佇まい。 順序良く並ぶかれらはとてもいじらしいし、 日暮れの柔らかいグラデーションをバックに浮かぶ あの細いシルエットほどきれいなものもないと思っています。
(好きなもの の ひみつ / ネコ)

【たらしめる】(たらしめる)――常に既に〜でありさせる。

 「たり」という断定の助動詞と、「しむ」という使役の助動詞と、「り」という継続の助動詞を都合よく合わせたものが「たらしめる」(常に既に~でありさせる)です。
 本当であれば「切らせる」「取らせる」「あらせる」「たらせる」というラ行五段活用の使役にしたいのですが、それが口語のなかで継承されてこなかったために、「あらしめる」「たらしめる」という微妙な文語を使うはめになりました
 もっと言いやすい「する」という使役が使われていた時代もあります。「俺を男にしてくれ」(本当は「ならせて」が正しい)とか、「子どもを学者にする」(本当は「ならせる」が正しい)とか、「こんな空気にさせたのは誰だ」(本当は「ならせた」が正しい)とか、言葉の奥行きが抹消されている現代かもしれません。

動物も植物も菌類も、生物ならばもれなく持っているものが蛋白質であり、生命を生命足らしめているものは蛋白質だと言っても過言にはならないだろう。
(蛋白質から見る世界 / くびなが)


【たわいもない】(たわいもない)――手応えや正体がはっきりとないこと。

 「たわいもない」(たあいもない)は両方とも正しい表記だが、見出し語をみるかぎり、辞書の多くは「たわい>たあい」という位置づけをしているようです。「他愛」は当て字で、あまり使わないほうがよいかもしれません。
 語源がはっきりしておらず、「相手として不足」(手合無し)から来ているという説や、「利益無し」(とわきなし)から来ているという説もあります。第一の語義は「たわいなく眠りこける」などの、酔って思慮分別がなくなるという意味で、これを知らない人がなかなかいるようです。

他愛もない話をしながら帰る道は、その日が終わったという安堵感に包まれた愛おしい時間である。
(歩いて帰る道 / ドーナツ)


【チカチカ】(ちかちか)――光が点滅する様子の擬態語(Onomatopoeias)。

 しかし、光る様子を表す擬態語はいくつかあり、たとえば「きらっ☆」とか、「ちかちか」とか、「ぴかり」とかがあるでしょう。
 星・イルミネーションは「きら」系(きらきら、きらっ、きらり)、太陽は「ぎら」系、グラス・稲妻は「ぴか」系、蛍光灯は「ちか」系が多かったというアンケートの結果もあって、私は、綺麗なのが「きら」で、強くなったのが「ぎら」で、自然感があるのが「ぴか」で、(チクチクというのがあるように)鋭いのが「ちか」かなと思っています。

チカチカと光る画面を見ていると頭がハレーションしてしまうんでしょうか。
(自然体 / 水無月 紫苑)

【中光度赤色航空障害灯】(ちゅうこうどせきしょくこうくうしょうがいとう)――語釈執筆かつ画像依頼中。

私は、中光度赤色航空障害灯が好きです。 わかりますか、あの、高層ビルや鉄塔についている赤いひかり。 ほら、高いところでちかちかと点滅するあのひかりです。 夕暮れ、日が沈むときになると、仄かに輝きだすあのひかりのことです。
(好きなもの の ひみつ / ネコ)

【手1】(て)――。

 化学ではよく「結合の手」という比喩を使います。原子が《くっついて》分子になることや、(原子から成っている)分子が《くっついて》高分子(ポリマー)になるのは、誰のどんな「手」によるのでしょうか――それは「電気」です。
 原子の真ん中には「プラスの電気」があり、外側には「マイナスの電気」があります。その外側の電気同士がくっつきます。物によってはやたら強く引き寄せ合ったり、ダブルデートしている相手の恋人の方に惹かれてしまったり、蛋白質(アミノ酸のポリマー)なんかは巨大化すればするほど(構造化すればするほど)妙に群れるわけです。
 そういうのは「手」と呼ばれる電気同士が「磁場作用」(イオン作用)という不思議なチカラでもってうまく交換しあって、うまく結合して、過不足ないようにしているのです。落雷も静電気も、この「電気の交換」をしているといえます。
 まあ、こういうことは「実際にやってみる」のが一番いいんですよね。ストレッカーアミノ酸合成や、悪臭アルデヒドを作ってみたり、《臭いとか視覚を証拠にして》楽しむ化学をすれば、誰だって化学が楽しいものだと再発見できると思います。
 くびながさんの記事のように、化学には面白いことがたくさんあって、たとえば多細胞生物が織りなす様々な認識というのは、単細胞生物のときのイオンチャネル(膜になっている蛋白質)を使って行われていて、実際にすげえのは単細胞生物じゃーん!ってなったりするわけです。

アミノ酸とアミノ酸は互いに手を取り合うことができるので、アミノ酸 A はアミノ酸B と結合して、アミノ酸 B はアミノ酸 C と結合して、アミノ酸 C はアミノ酸 D と結合して... といった具合に互いに連結して 100 から数 100 の数珠からなる一本の紐を作りあげることができる。
(蛋白質から見る世界 / くびなが)

【手2】(て)――。

 「手抜かり」「手広い」「手強い」「手慣れる」「手始める」「手ぬるい」「手柔らか」、これらの「手」は実際に「手」ではなく、また比喩でもありません。古典で習った「いと」(甚)という言葉を縮めたものです。程度がすごいことを強調するため、ということです。「超」と同じでいわゆる過剰表現なのですね。
 つまり「お手柔らかに」というと、「あの本当に申し訳ないのですが、あなたがこれからとろうとしている手段において、それをとても堅くすることなくむしろ非常に柔らかく簡単にして欲しいのですが、よろしいでしょうか」という意味になります。

はじめまして、ネコと申します。名前はもうありますが、ネコはネコです。 あまり言葉は上手くないものですから、ご容赦くださいませね。どうかお手柔らかに。
(好きなもの の ひみつ / ネコ)

【哲学】(てつがく)――知を愛すること、あるいはまだ科学として位置づけされていない(解決されていない)問いについて考える学問分野。

 語源はラテン語の「philosophia」から来ており、意味は「知を愛すること」。西周(にしあまね)という明治時代の知的にうるさいおっさんが、「哲学」という仰々しい名前を付けました。
 哲学をひとことで言うのは難しいですが、「生きることにおいて、知ることがどのような意味を持つか」を考えることと言えるでしょう。もちろん哲学者のなかには「むしろ知ることは生きると同じである」という人もおります。変な哲学者は「哲学は郷愁である」とか言ったりもします。哲学者といっても、哲学で食っている人はほとんどいないでしょう。

それにつれて、ぼくは少しずつ「興味があるふりをしてたやつら」について知っていくことにした。言語学とか、歴史とか、哲学とか、ほんのちょっとずつで、世の中の学生に比べれば何もやってないに等しいようなちょこちょことした勉強(笑)だったけれど、どうしてだか、心が軽くなった。
(知れば知るほど、知らないことが増えてゆく / ちくわ)

拍手

PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

× CLOSE

ブログ内検索

× CLOSE

Copyright © みんなでしんがり思索隊 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]