昔からクラシック音楽が好きだったり、世界史や地理が好きだったり、大学に入ってからは海外と直接つながるような専攻をしていたわりに、「海外へ行くこと」そのものに対しては何故か抵抗があった。
両親がそれほど旅行好きではなく、旅行した経験が少なかったからかもしれない。
大学に入ってから一人暮らしを始め、両親からの呪縛から解き放たれてたびたび国内旅行へ行くようになったが、海外旅行へ行こうという発想はなかなか持てなかった。物理的に忙しかったのもその一因かもしれないけど。
とは言え、専攻が専攻なので、いつかはそのメンタルブロックを壊さねばならない。
そんな確信のような義務感のような何かを常に抱いていた。
壊し方は非常に大胆だった。
「留学してしまおう!」というわけだ。
留学したい願望はもともとあったし、何よりも海外に住むという、ある種「逃げられない」環境に身を置くタイプの渡航を人生初めての海外にすれば、このメンタルブロックを粉々にすることができる、そんなことを思ったのだ。
そんなこんなで、私の初海外は留学だった。
渡航はトランジット先まで一人きり、12時間のトランジット含む長距離渡航。
留学生活も7割ほどを終えた今思うのは、「海外に行くのってそんな難しくないよね」ということだ。
文化は違えど、どこの国にも普通に生活している人たちがいる。
言葉の問題さえ乗り越えればそこで暮らすことが出来るのだ。
現地の人と友達になることだってできる。
逆に、海外旅行に慣れてしまっていたら、海外は「旅行する場所」という刷り込みがなされ、海外を過度に特別視するようになってしまっていたかもしれない。
良くも悪くも、生まれて初めての海外を留学に設定することで、海外や海外生活に対する幻想が消えた。
20年も生きてきて壊しきれなかったメンタルブロックは、大胆すぎるほど大胆に壊すのが一番ではないだろうか。
それをやってのけてしまった今だから言える。
メンタルブロックを壊したい人は、私のことを思い出してほしい。
PR